種麹・総合微生物スターターメーカー 秋田今野商店
1.「もやし」の歴史
酒・味噌・醤油・焼酎に代表される日本の発酵食品の要である麹の種菌のことを「もやし」と呼びます。ちなみに、弊社の種こうじ菌は「アキタコンノモヤシ」あるいは「こんのもやし」と呼ばれています。「もやし」は萌える・・・つまり芽が出る・・・の意味があり、芽吹く姿から「もやす」→「もやし」になったという説もあります。
発酵食品の歴史は古いのですが、種麹の製造販売が行われるようになったのは比較的新しく、明治に入ってからと言われています。それまでは13世紀初期頃に、麹商人によって酒屋とは全く別個の独立的な産業パターンとして出現しました。麹造りには特殊な技能を有し、一種の秘伝として受け継がれていきました。麹は酒ばかりか、味噌、醤油、甘酒、酢などの醸造には不可欠のものだけに 、その製造販売の独占権が得られ、しかも公家、社寺などの権力者と結びつけば、その利益は大きく、麹座を巡って紛争がたびたび起こりました。
その頃の種麹は前回使用した麹を老したものを混合して使う友種が主流でした。その際に一種の秘伝として木灰が使われておりました。
明治に入り近代微生物学が日本にも導入され、創業者今野清治は当時まで非常に原始的であった種麹造りにフラスコを用いた原菌の純粋培養を採用し、「こんのもやし」として急成長いたしました。
2.種こうじ菌
黄こうじ菌 何を温度計を破るか? | 白こうじ菌 | 黒こうじ菌 |
1)麹の製造目的は麹のつくる酵素ですが、種こうじは麹づくりの種菌ですので製造目的が胞子の生産です。
2)麹の製造には精白された米、大麦等を使い2日ほどで麹になりますが、種こうじは1週間近く培養するために栄養の豊かな精白歩合の高い米(玄米)などが使われます。
3)種こうじは種ですので保存性の向上のために必ず乾燥します。
4)種こうじは麹と異なり蒸米放冷後、原料の1%相当の木灰を添加します。木灰の添加により麹菌の生育、胞子の形成や色相を良くするほか、保存性も向上します。
木灰は椿灰が最良とされていますが、木灰を添加しない種こうじ菌もつくられています。
培養工程における木灰の効用
蒸米に木灰を添加することによりアルカリ性になり、麹菌はアルカリ条件下でも十分に生育するが、アルカリに弱い有害菌類は生育の阻害を受け、淘汰され純粋な種麹を与えることが出来ます。
〔栄養的効果〕
木灰に含まれる多くのミネラル、特にカリウム、リンが麹菌の生育を助け胞子着生を良くすることが出来ます。
〔物理的効果〕
蒸米粒の相互の粘着を木灰添加により防止し蒸米間の密度を密な状態から粗な状態にすることにより好気的環境を形成し、麹菌菌糸の破精込みを良くすることが出来ます。
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〔形態変化〕
麹菌は木灰の添加によりその形態を変化します。例えば、麹菌の分生胞子柄の部分が短縮され、元来長毛型の菌株も、短毛型の菌株も、一様に短毛型に変化します。この変化は胞子の形成と関連し、短毛型になると胞子の形成も多くなる傾向があり、麹菌がいわゆる胞子型になるのです。これは外観的に種麹の状貌を良くする効果もあります。
〔分生子の色相変化〕
麹菌においては適量のCuを供給すると胞子の形成が盛んになり、その胞子の緑色の度合いが濃くなります。木灰には充分なCuが含有されており分生子の色相の良化に効果があります。
保存中における木灰の効果
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木灰添加と無添加で種麹を製造して、その胞子について核酸成分を分析すると、木灰添加により胞子1個あたりのRNA含量が減少します。RNAについて経時的に検討すると、木灰添加胞子についての減少はなく、無添加の胞子については1ヵ月以上経過してからの減少が著しくなります。胞子の発芽は細胞内蔵蓄物質の消耗という形で開始されるものであることを考えると代謝活性の低下は胞子保存中の蔵蓄物の消耗が少なく、発芽の際のポテンシャルエネルギーを高く保ち、当然発芽力を永く保持しえることにより耐久性の増大に結び付くと考えられます。
〔水分〕
胞子が十分着生した種麹は、出麹水分が28%近くあり、その胞子は約36%の水分を含みます。生存率を長期間長く保つには、乾燥して水分を胞子で15%以下、粒状で10%以下に保つ必要があります。乾燥は胞子の死滅を防ぐため40℃前後の無菌通風によるのが一般的です。このような低温乾燥により木灰添加により製造した胞子は、無添加に比較して水分を放出しやすく、吸湿しにくい状態、いわゆる低い水分含量で外部との水分含平衡に達します。
〔胞子の窒素化合物〕
アミノ酸量の変化の目安となるホルモール態窒素については、2カ月間の保存により無添加胞子のホルモール態窒素は増加しますが、木灰添加胞子のホルモール態窒素はほとんど増加が認められません。これは無添加胞子のアミノ酸量が増加していることを裏付けています。
〔胞子の糖類〕
エネルギー貯蔵物質として重要な糖類を胞子は木灰添加種麹で全糖量約30%、無添加種麹で25%含み、木灰添加により生命力を保持する貯蔵物質の増加が耐久性の増大の原因のひとつと考えられます。
〔胞子と無機塩類〕
胞子のカリウム、灰分は木灰添加により顕著な増加を示し、無添加胞子の約4倍にも達します。胞子のリンも木灰添加により増加するが、その増加の程度は灰分、カリウムほどではなく、無添加に対して2倍にも達しません。
〔胞子の自家呼吸〕
胞子は基質を外部から与えないでも、僅かながら自家呼吸を行っており、木灰の添加により胞子の自家呼吸が減少する。これは木灰添加による胞子の代謝活性低下を示しています。
種麹の製造工程
3.酵母菌・乳酸菌
醸造用に使われる酵母・乳酸菌は使用目的によって培地の成分が異なります。
清酒用・焼酎用酵母
ビール酵母
味噌・醤油酵母
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